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『ものべの-HappyEnd-』 レビュー。

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※ネタバレ注意

 今作「ものべの-Happy End-」は「ものべの」(---2012/04/27)の本編をリメイクしたものと、本編の続編であるアフターストーリーがセットになった作品です。しかし、ぼく自身は無印の「ものべの」をプレイしたことがないので、以下の文章では無印とHappy Endの比較ではなく、Happy End版のみの感想となります。ご了承いただける方のみ、お読みいただけると幸いです。

 システム面は欲しいものは一通りそろっており、良好。特にシナリオジャンプ機能や、場面選択機能、章ごとにシークバーを用意し、自分が読んでいる場面がどのルートのどの位置なのかがわかりやすいし、その場面内での移動も容易。プレイヤーにストレスを感じさせないよう腐心していることがわかり、気持ちが良いです。

 その気持ち良さは演出にも適用されています。本作はシネマティックノベルを名乗るだけあり、映画を意識しているかのような演出…目パチ・口パクは当然のように備わり、葉の舞い落ちる演出、背景グラフィックスの動かし方、立ち絵のフェードアウトフェードイン、そもそもグラフィックスのパターンが凄い…これにより、全体的に見て楽しませることを重点に置いている作品となっています。これにより描かれるヒロインとの人里離れた山村での日常…屋敷の大掃除、山遊び、水普請、畑仕事、夏祭り…がより一層、味わい深くなっています。しかも、それだけではなく、そこに加えて、妖怪という非現実的な存在が居る日常を、妖怪が居てもいいんじゃないかと思える・・・作品全体に渡って、そんな細部に渡る雰囲気作りがこの作品の魅力の一つでしょうか。

 さて、シナリオに目を向けてみると、どのルートも焦点が当たるのは夏葉に降りかかった呪い・・・異常成長をしてしまった夏葉。これを治すのが主人公透の目標になり、展開はこれを主軸として描かれます。ただ、どのヒロインも主軸とするのはその夏葉の異常成長なのですが、選んだヒロインによって治すための方法が異なってくる。ヒロインは3人。人間であるありすと夏葉、妖であるすみ。ありすと夏葉ルート、人間と人間が恋愛関係になっていくシナリオでは透が医者として、人間側からの立場で夏葉を治すことを目標としていきます。ただ、この2ルートは夏葉の呪いは深刻なレベルにはならない。そのため、シナリオの展開よりも、どちらかというとエロシーンの方にばかり目が行ってしまいました。

 夏葉は幼く描かれたヒロインであり、プレイヤーからしてみると、この娘の行動や言動は正直よくわからないのですが、主人公視点以外にこの夏葉のモノローグを随所に挿入することで解決している。ここで描かれる幼い夏葉の心情がきっちり描かれ…説明されるため、行動としてわかりやすい。

 しかも、これがシナリオだけにではなくエロシーンの良さにも繋がる。元々この作品、エロシーンに対する気合の入れっぷりが凄まじいのですが、それだけではなく、シチュエーションでの凝り方が・・・。異常成長により、大人な身体で内面の無垢さのギャップ・・・思考は幼いままであるのに、成熟した身体・・・を強く意識できるものとなっている。ありすはその逆であり、アフターでは中身が成熟しているのに、外面的には幼いまま。これにより、もともと眉唾的に濃い濡れ場が一層エロくなっています。ただ、この濡れ場を堪能できるのは身体的、もしくは外面的には大人、であるため、ロリゲーとしてはどうなんだろうか?と思いましたが・・・。

 すみルートはこの作品の総括でもあり、他のシナリオに比べて異質なものとなりました。

 この作品、攻略順の規定(ありすもしくはすみを攻略後でないと夏葉ルートに入れない)を考えると、最後にプレイすべきなのは夏葉ルートでしょうが、このすみルートが総括となっているのは、HappyEnd版だから…もっと言えば、追加されたアフターのせいだとも言えるかなと(この辺りは本編のリメイク具合がどうなのかがわからないのでなんとも言えませんが)。

 どのルートも夏葉の呪いがアフターで解決するところは変わりがないのですが、ありすアフターと夏葉アフターはどちらも村の外での話であり、主人公とヒロイン(ありすルートはそこに姫宮などが加わる)のひと時・・・焦点が当たるのはヒロインとの恋愛部分を描くことになる。

 これらとは異なり、すみルートはアフターの前段階で、ヒロインとの結婚まで描いてしまっている。よって、このルートで主眼となるのは、ヒロインとの恋愛ではなく、その先を描かなければならない。妖とのかかわりをメインに、夏葉に降りかかった物を呪いとして治す。そのため、主人公の道は医者ではないし、このルートはタイトルにもなる舞台茂伸村・・・妖と人間が密接に関わる土地・・・ものべのの未来を描いていく。個人の枠組みをメインに描いた他の2ルートとは異なり、妖と人間の共生…全体の未来を象徴していくシナリオとなる。

 ・・・このルートの最後、人と妖と半妖が仲良くならんで歩いていく姿は、どことなく、ものべのという作品を象徴しているよな、と。

 ロリゲーというある種ニッチなジャンルではありますが、心理描写の使い方、システムを含めた演出。田舎の中でどうキャラクターの魅力・・・日常をどう魅力的に描くのか、そんな追及が見られ、しかもそれだけではなく、妖と人間を絡めたシナリオ展開の面白さ。さらに言えば、エロへの作り込みも忘れない。“エロゲ”として、好きになってしまうのもしょうがない話です。

 (ただ、個人的なことを言わせてもらうと、どのルートも夏葉の異常成長についての話があるため、周回するたびに主人公の未熟な部分…状況が見えず、慌てふためく姿など…を毎回見せられたのはちょっと嫌だったかなと。大体の場合周りの人がちゃんとたしなめるので一度目は気にならないのですが、何度も見せられると…)


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