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『テレビの消えた日』レビュー。

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※ネタバレ注意

 今作「テレビの消えた日」のシナリオの本筋としては復讐にかこつけた調教物と言ったところでしょうか。主人公は過去に両親を殺した穂坂健一に恨みがあり、その穂坂健一が大事にしている一人娘七海を犯し、自分と同じく大切な人が酷い目に合う苦しみを味わわせてやろうといったもの。そのため、シナリオの展開的には七海を脅し、犯せる状況になったら、後はひたすら犯していく・・・調教していくだけになります。ミドルプライスということもあり、シナリオの分量は少な目であり、基本的にエロシーンが中心のいわゆる抜きゲー。

 ただ、この作品は調教物としての面白さがあんまりない。

 なぜなら、ヒロインの中で、調教を唯一受ける七海は最初から主人公に惚れているため、調教を受け入れているし、反応は淡泊。調教にレベルがあり、段階を踏んで調教していると言う感覚があるにはあるのですけど、さしては…。ようは堕ちる過程での変化があまりなく、調教物における“ヒロインを堕とす楽しさ”が描けているようには思えなかったからです。

 とは言っても、この作品はただの抜きゲーにはなっておらず、過去の記憶に起因した話の占める割合が多く、主人公の過去の秘密を展開の主軸におく。どちらかというと書きたかったのは調教物ではなく、こちらの展開でしょうか。

 この作品、攻略キャラクター(この場合はエロシーンがあるキャラクターという意味で)が七海を含めて4人居ます。ルート的にはこれらヒロインの個々のルートとBADENDを含めて5つのシナリオがあり、おそらく七海ルートと他のルートで大別できるかなと思います。

 七海ルートは本題である主人公の過去・・・七海が主人公の妹であること、主人公が過去に取り返しの付かない罪(誤りではあるとはいえ、両親を殺し、あまつさえそれを忘れていたこと)を犯してしまったことを思い出すまでを描きます。このルートでは思い出してそれで終わりであり、受け止めもせず、いつか受け止められるのではないかと示唆する程度なのですが、主人公を長年苦しめてきたトラウマの象徴たる・・・スノーノイズを映したテレビが消える・・・唯一トラウマからの解放を示唆するルートであり、タイトルである「テレビの消えた日」がトラウマの日を意味すると同時にトラウマからの解放の日を意味するものとなる・・・そんなラストは非常に読後感の良い物でした。

 大別と言ったのは上記の七海ルート以外・・・BADENDを含めたサブルートの読後感の悪さにあります。

 BADENDは真尋と交際していることが七海にバレ、主人公を取られまいと七海が暴走し、真尋と主人公、はたまた他のヒロインまでをも七海が殺す展開になります。あまりグロ表現はきつくはないのですが、それでもヒロインの指が千切れるのをグラフィックスできちんと描いているので、苦手な人は苦手かもしれません。

 他の3人のルートは基本的に主軸となるのはヒロイン側の設定。真尋は死んだと思っていた妹の代わりとして居続けた幼馴染であり、シナリオですら主人公が昔惚れていた真尋の姉である美尋の代替になろうとし、菜穂は昔にレイプされた体験と売春をしていた経験、ヒロインによっては重そうな設定があるにはあるのですが、どのルートもあっさり解決し、らぶらぶして終わりとなっています。流琉なんかはそもそもメインが主人公との恋愛話に終始し、結局はいちゃいちゃするまでを描いているだけ。

 どれも一見幸せそうなENDなのですが、これらどのサブキャラのENDもBADENDとの兼ね合いが出来ておらず、非常に気味が悪い。どのルートも入る前には七海に調教を行っており、七海に対してとりかえしのつかない行為をしているし、七海はそもそも最初から主人公に惚れており、しかも、この七海がBADENDのように暴走しかねないことをどのサブルートも解決していないんですよね。サブヒロインとの交際までを描いたのは良いのですが、七海にばれていないだけで、サブルートすべてがBADENDになる可能性を置いたままになってしまっている・・・そう考えると、バレた瞬間、全サブルートがあのBADENDの鮮血に繋がる・・・。なんとも意地が悪い構成だなと思いました。

 七海ルートのタイトルに絡めたシナリオの読後の良さと、全てのサブルートがBADENDに帰結することを示唆した読後感の気持ち悪いシナリオ、どちらも同居した・・・凄く居心地が悪い・・・読後感が奇妙な作品でした。


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