FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Comment (-)

『妹のおかげでモテすぎてヤバい。』 レビュー。

c782501package.jpg


※ネタバレ注意

 本作「妹のおかげでモテすぎてヤバい」は設定的な捻りはあるにせよ、その設定をきっちりキャラクターの魅力に使い、個別ルートのほとんどをいちゃらぶへ回す…そんな「萌え」方向への特化が見られる作品です。

 主人公はヒロイン叶に惚れられるために、「刻廻の儀」…デメリットはあるにせよ、女の子から惚れられる儀式・・・を行う。ただし、お目当ての叶にはこの儀式の効果がなく、また他のヒロインと交際が確定してしまうとそれ以降はそのヒロイン以外と結ばれることがないため、主人公は叶と結ばれるために、他のヒロインとの交際を断り続ける…叶への思いを貫かなければならず、貫き通して叶と恋仲になるか、貫けず他のヒロインと恋仲になるか、がこの作品の本筋となります。

 主人公がヒロインに惚れられる理由付けは多くの作品…それが恋愛物のADV…であるのなら、基本的にはなされているもの。最初からヒロインが主人公に惚れている作品であっても、惚れた理由となる過去の話がそのままイベントとなりますし、最初から惚れていなくても、惚れる過程からヒロインの心情を表す…それがヒロインの魅力に繋がりやすい…ヒロインの魅力を描きやすい。そのため、多くの恋愛物の作品はヒロインが主人公に惚れる理由を付けてきます。

 しかし、今作「妹のおかげでモテすぎてヤバい」はそんな理由を展開ではなく、最初に設定してきました。

 ヒロインから惚れられている理由。これを「刻廻の儀」…ヒロイン全員に惚れられる設定…により、すべて同じにしてしまう。こうなってしまうと、ヒロイン個々の魅力を描けないのでは?と思いますが、そうではありませんね。

 惚れられる設定、これにより引き起こされたヒロインを振る展開からヒロインの魅力を描いてきました。ヒロインの振られた反応…恋仲になることとは反対の反応…を見せ、とその逆のヒロインを選び取る。その逆を選んだという感覚を強く意識させ、よりヒロインの魅力を増大することとなりました。しかも、全員が儀式により惚れさせられているという同じ条件であるのに、ヒロインごとにきちんと3通りの反応を表現する。この反応の違いも非常に面白い。振り切る設定がない叶も、それを振り切ってまで到達したことにより、選び取ったという感覚が強いものとなります。わりとこの設定はキャラクターを描くためにうまく使えたのではないでしょうか。

 ただ、苦言を呈すとしたら、この作品、ちょっと真面目過ぎたことかなと。

 3人娘のどのルートにもある「刻廻の儀」をヒロインに伝えること。つまり、ずるをして惚れさせたことをヒロインに伝える。この展開…ヒロインが納得していることがわかる展開…がなければ、たとえ儀式にデメリットがあろうとも、そのまま幸せに向っても、プレイヤーに不信感を与えてしまうと思うんですよ。この作品はその解消をきっちり行う。そんな清算する展開をきちんと入れることや、グラフィックのあるヒロインは全員ルートがある作り込み…この辺りからも作品作りに対する真面目な姿勢が見えてくると思います。

 その真面目さがちょっと行き過ぎたように感じたのが、設定を解き明かすラストのめぐりのルートかなと。何故、叶は「刻廻の儀」で主人公に惚れなかったのか?やそもそも「刻廻の儀」とはなんだろうか?に触れていくことになる。そんな展開の中で描かれるラストシーンで、現実と向こうの世界、どちらを選ぶのか?という選択肢を突き付けるのですが、この作品における現実の辛さ、もしくは向こうの世界の良さは描かれていないんですよね。選択肢の重さがよくわからない。そこで現実を選ぶことに凄さを感じられなくなってしまう。設定の解明までも丁寧に行おうとしてこの辺りはちょっともったいなかったように感じてしまいました。

 これ自体は設定部分を解明までしなければ未完成だと叩かれる可能性があるので、仕方がないと言えば仕方がないんですけどね。個人的にはこういうご都合主義を受け入れられるようにする設定は解明まではせず、謎は謎のままでいいんじゃないかと思います。ご都合主義…この場合は物語の粗とでも言った方がいいですかね…をなくすなんてことは無理です。ではどうするのか?というと、それを受け入れられるような下地を作ることが大事だと思うので…。そしてこの作品は最終シナリオ手前までは、そんな下地は出来ていたと思うのです。

 そんな下地を無くしてまで描こうとした最終シナリオ…作品全体が真面目過ぎたゆえに出てきたシナリオ…はちょっと残念に思いましたが、それ以外は、設定をヒロインの魅力を増幅するために用い、個別のシナリオは描写のほとんど…呪い関連だけで山場がある程度…裂くほど、丁寧に丁寧にいちゃラブを描いてくる。また、こんな設定を最初に物語に与えてしまうことで、ヒロインに惚れられる理想的展開、ご都合主義的な展開をシナリオにぶち込んだとしても、さらに言えば、主人公を格好良くなく描いたとしても気にならなくなる。気をてらった設定をもちいた作品ですが、使い方は王道的であり、良いキャラゲーだと思いました。

レビュー一覧
関連記事
スポンサーサイト

管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。