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『学☆王 THE ROYAL SEVEN STARS』 レビュー。

学☆王

※ネタバレ注意。


 『学☆王 THE ROYAL STARS』は絵の担当が梱枝りこ氏。この絵でエロハプニングが多め。この絵でいちゃらぶ分は多め。この絵のキャラクターがテンションの高い掛け合い。絵が気に入ればわりあい何でも許せそうな作品というのはこういうものを指すのかなと思った。だから、この作品の感想では「絵がかわいかったです」で終わるつもりだった。でもちょっとだけ、ほんのちょっとだけシナリオが気になってしまったので。長文ではそのことについて。

『学☆王 THE ROYAL STARS』のメインストーリーは宇宙からやってきたと名乗っていた主人公が実は別の国家の侵略者で(以下略)。実態はただ学校をみんなで守るといった展開を見せる。

 「学校を守る」という題材を扱う作品は少なくない。最近ぼくがプレイしたのでぱっと思いつくのだけでも『恋色空模様』、『グリーングリーン2』と簡単にいくつか挙げられる。そんな作品群と本作が異なる点は、いやに話の規模が大きいところ。学校を守ると言って教師などと戦うといった展開は良く目にするが、この作品では相手が国家である・・・。とはいえ、国家を相手に戦うシナリオではあるものの、学校の中で話はほとんど終始し、最後は予定調和で締めくくられる。コンセプトが『学校に行きたくなるADV』なので壮大な物語にならないは当然と言えば当然だが、このストーリーならこの設定は果たして必要なのかな・・・と思ってしまう。

 学校を守るための国家ジュネシスとの戦いの部分は本編でも大きな比重を占めている。ここが楽しめるか否かの一つの分かれ目だろう。戦いの内容は茶番劇だし、シナリオ的に見ても結局は茶番劇だったことが明かされる。おそらくこれはキャラクターの掛け合いを楽しませるための装置なのだろう。そういう意味ではうまく働いている。そもそもバトルが茶番にしか見えないのは作風だから別にかまわないし、掛け合いもそこから生まれるため、キャラクターの持ち味を出すといった意味では悪いということは基本なく、いい方向に働くだろう。

 ただ、バトルと掛け合いはかみ合っていると思うが、シナリオとかみ合っているか・・・と聞かれると・・・。相互に上手くかみ合っているとは言い難い。シナリオにおけるバトルを行う上で、根底となる学校を守りたいという行動原理。ここに共感を呼び起せる部分が足りない。この作品で主人公が来てから国家ジュネシスへ宣戦布告するまでの学校生活は2日しかなかった。これで学校を守るのだと宣戦布告されても、読み手としては置いてきぼりになってしまう。このシナリオなら宣戦布告の前に学校生活の楽しさをもっと描いたほうがいいのでは・・・。ちょっと性急だったのではないかな。このせいで学校を守るのだという意気込みを見せるキャラクターとこの作品の学校生活をさして味わっていない読み手の間にどうしても温度差が生まれてしまう。ここさえしっかりすれば、印象も変わり、展開がご都合主義だろうが些末な問題とでき、違った面白さを提供できたのではないかと思う。

 また、このバトルのせいで、この作品におけるコンセプト「学校に行きたくなるADV」すら、投げ捨てているか、もしくは忘れてしまったのではないかと感じた。なぜ“学校に行きたくなる”ADVなのに“学校に行きたくなくなる”イメージの強いネトゲがお題目の一つにあるのだろうか。勉強や、スポーツを題目にした試験はわかる。けれどもこれはないだろう・・・。自己否定にしか見えない・・・。自らが付けたジャンルを忘れてしまったのではないか・・・。

 コンセプトに徹したいのだろうか、それともバカゲーでありたいのか、ストーリーを求めたいのだろうか、全部を求めてどれもこれも中途半端になってしまったような作品。色々ひねっては見たものの、結局残ったのは絵のかわいさと掛け合い。総評としては一風変わったキャラゲーといったところに落ち着いてしまう。

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