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『乙女理論とその周辺-Ecole de Paris-』 レビュー。

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※ネタバレ注意

 『月に寄りそう乙女の作法』の続編である本作『乙女理論とその周辺』。本編のノーマルエンドからの続きである本作は続編と銘打つだけあって、ヒロインとのいちゃラブで終わる訳ではなく、ストーリー展開…物語性があります。そのため、同メーカーの過去作にあたるShuffleのアナザーストーリー「Tick Tack」「Really Really」に近い。異なっている点は登場人物の変更により、本編のヒロインたちの出番が少ないと言った点でしょうか。

 同メーカーの本編キャラクターを選択し、そのヒロインとのひと時だけを描いた「俺たちに翼はないAfterStory」「World Wide Love! 世界征服彼女ファンディスク」辺りのFDとは趣が異なっています。初回限定盤にはこれらのFDと似た内容の物・・・つまりはある意味では製品レベルの物・・・を特典として付けているので、本編ヒロインとの掛け合いが目当てなら初回版を買った方が良いかなと思います。また、後述しますがこのFDがあったからこそ、な作品だと思いますので、できるのであれば初回版を入手することをお勧めします。

 「月に寄りそう乙女の作法」ではあまり触れられず、主人公が女装をする理由程度にしかならなかった主人公の実家…大蔵家。「乙女理論とその周辺」ではこの大蔵家を話の中心に据えます。そのため、「乙女理論とその周辺」は実質2ルート・・・大蔵家を主軸とした展開に関係のあるキャラクター、メリルとりそなルート・・・のみです。ディートリンデとメリルルートは無かったと言っても良い程に短く、リリアーヌに関してはこの作品における敵役として終わっている。なので、実質2ルートと言ってもいいかなと思います。ただ、メリルルートは大蔵家関連を扱っていますが、そこに話が終始し、服飾関連はやけにあっさり終わってしまった点、りそなルートのみ前作のキャラクターが登場…と考えると、実質は1ルートだったのではないかなと思えてしまいます。

 りそなルートは大蔵家の話をメインに据えつつ、りそなを守る兄としての朝日や、衣遠を描き、そこに引きこもりだった彼女の成長・・・”周辺”の人間と打ち解けていこうとし、最後には”周辺”の人たちの優しさ、温かさに触れていくまで・・・を。ここに服飾という設定を絡め、りそなの成長を丁寧に描いたことにより、続編としてしっかりした内容となっております。

 (ただ、りそな…朝日が女装をしていることを知っている人間であるので、このルートでは朝日は乙女的な魅力ではなく、最初から最後まで兄としての魅力が全面にでることとなりました。女装物の作品としてこの点がもっとも残念に感じた点)

 本作は続編と銘打っていますが、りそなルート以外は前作のキャラクターを登場させない。

 本編からの続投が朝日、衣遠とりそな程度・・・と考えるとほとんどのキャラクターが入れ替わっていることがわかります。 日常パートは本編と同じく服飾関係を話の軸にするところは変わりませんが、メインとなるりそなルートを除き本編のヒロインが居らず、日常の掛け合いでの中心となるのは新キャラクターであるメリル、ブリュエット、リリアーヌ。掛け合いのノリ自体は前作とあまり変わっていないので、前作を楽しめた人であるのなら掛け合い自体を楽しむことは可能でしょう。

 この作品はノーマルエンドの続き、つまりは性別がバレ、追い出されたところから開始される物語であり、朝日は桜屋敷の日々に未練が残ったまま。よって、視点となる朝日が本編のキャラクターと本作のキャラクターを比較しながら、この掛け合いを進行します。ここで行う比較により、前作キャラクターとの掛け合い、もしくは前作キャラクター自体への欲求が増大することになる。掛け合いが似ているのだって、そのため。それが最もよくわかるシーンがりそなルートにおけるルナの登場場面でしょう。あれだけ比較をし、前作のキャラクターを思い出すよう描写し、絶望的な状況から登場場面であったためにルナの姿が映える場面になりました。この作品はこのシーンのためにあったのではないか、と思えたほど。

 さらに、AppendDisc・・・「乙女理論とその周辺」では見ることが出来ない、本編キャラクターとの掛け合いが収録された特典・・・内容としては前述した「俺たちに翼はないAfterStory」「World Wide Love! 世界征服彼女ファンディスク」と基本的に同じだと思います。これが本作で行われた比較により、かなり楽しめること請け合いの物となっております。あれだけお預けを貰ったのだから、まぁ当然と言えば当然のことですが。AppendDiscを本作の後にプレイしてくださいと公式アナウンスがあったのはネタバレのためもあるでしょうが、「乙女理論とその周辺」をプレイした後の方が楽しいからという理由もあるのではと思います。

 掛け合いだけではなくシナリオとしても、湊アフターでは衣遠が遊星の母親を遊星の料理を通して思い出す場面や、ルナアフターでは本編、ルナルートでなぜ盗作・・・重い行為を衣遠が行ったのかが明かされ、それ以外にも、遊星の母親関連、桜小路家との決着・・・本編部分の設定消化の役割をも担う。Append…特典というよりはメインコンテンツの一つと言って良い内容になっています。

 本編のシナリオ補完を行いつつ、構成は前作キャラクターの魅力を引き出すように。

 続編は前作の掛け合いを楽しませるものという考え方。アナザーストーリー的なファンディスク、キャラクターとのひと時を楽しむだけのファンディスク…二種類のファンディスクを制作してきた「Navel」だからこそ、な作品だと思いました。


 ただ、前作のキャラと今作のキャラの扱いの差というか、今作キャラクターは踏み台にすぎないという姿勢は潔すぎると言うかなんというか・・・。ディートリンデ、リリアーヌ、ヴァレリア、華花のエロシーンが見たかったなぁという泣き言を残して締めたいと思います。


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