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『水の都の洋菓子店』 レビュー。

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※ネタバレ注意

 『水の都の洋菓子店』の共通は洋菓子店の内部の日常を魔法とお菓子を上手く絡め、コメディタッチで描き上げていく。シナリオ的にもそうなのだけど、CGの枚数やパッケージのおもて面を飾ることなどからも、この作品で優遇されているのは麻里と未果なのだろう。

 その中でも麻里がかわいい。主人公と対等に言い合える親友のような設定が強いだけではなく、見た目と内面のギャップ(見た目だけだとおしとやかさを想像させる)、騒がしい金田まひる氏のボイス・・・etc。日常部分の進行において、そんなかわいい麻里が周りを振り回す・・・物語の主導を握る部分が大きいからこそ、この作品の共通は面白い。また、ちゃんとお菓子作りの修行を積んできた好感の持てる主人公。きっちりとした目標・・・洋菓子店を盛り立てていこうとする・・・物語の軸があるため終始飽きずに進められる。

 しかし、個別シナリオ・・・おそらくこのライターさんは、お菓子職人を目指す主人公、魔法、主人公の過去、この辺りを描くことに夢中になって、舞台設定である水の都を日常に活かすことを忘れてしまったのではないか。

 この作品が多くのプレイヤーの現実と照らし合わせて特異としている設定は4つ・・・主人公の過去、お菓子職人の夢、魔法、水の都。個別では、これらを描くため、主人公の過去は麻里ルートが、お菓子職人の夢はエレーヌルートが、魔法については美佳ルートが設定を回収し、物語を紡いでいく。この3ルートは物語をある程度山場を魅せつつきっちり描いていたと思う。

 タイトルにもなっている特徴の一つ、水の都。ただ、この舞台設定は活かされることがない。この作品進行において、ほとんどがお店の中で終始してしまうため、外の街でのイベントは少ない。雰囲気作りとして、この設定を使おうとする姿勢は序盤や未果ルートラストなどからゴンドラ関連のイベントなどからも見て取れる。しかし、未果のお姉さんである船頭の口調が男勝りというか・・・おっさん臭いというか・・・自ら雰囲気を壊しに来ているような・・・。おかげで雰囲気作りとしては基本的に失敗している。また、話に組み込まれることもなく、この設定がほぼ意味を持たない。「水の都の」を取り払っても進行に問題はなさそうだ。無意味な設定というものはプレイヤーに戸惑いを与えるもので・・・活用しない限り、物語における足枷に他ならない。

 共通からの地続きでテーマになりそうな設定の4つの内3つは3人のシナリオがまとめている。しかし、この作品の攻略ヒロインは5人である。3人でまとめる、ということは残った2人は割を食う形になってしまう。

 乃梨子ルートでは彼女自身が職人なるまでを、つぐみルートでは経営の勉強をし、主人公を支えていくまでを描く話になっている。しかし、どちらも夢を目指すと決めた時には即エンディングになり、エピローグでグランプリを勝ち取る姿・・・山場である部分がカットされている。なんというか・・・どちらもおまけルートのような印象を与えてしまう。この2人のシナリオで水の都に触れつつ描いてほしかったかなぁと。できれば、共通でももっと舞台設定を出してほしかったと思うのはわがままだろうか。

 日常描写が面白いからこそ、個別の山場のカットや舞台設定が活かされないなど、作りこみの甘さが目立ってしまった作品。

 勿体ないなぁ・・・。

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