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『シロガネオトメ』 レビュー。

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※ネタバレ注意

 恥じらいはエロスにおいて重要な要素の一つだと思う。恥じらい、裸を隠す女の子。あー脱がしてぇ・・・と思えてしょうがない。これにより、隠されている部分を想像し、エロシーンに期待感が高まり、よりエロスを堪能できる。

 『シロガネオトメ』には恥じらいというものがない、正確には感じられない。この作品の主人公、性別は女となっている。ヒロインとは女の子同士であるため、明け透けな会話・・・下ネタが過分に含まれた会話が多い。たまにではなく、日常描写の多くを占める。また、本編で何度もある風呂場の場面。何度も何度もヒロインの裸を見せられるせいでヒロインの裸が見慣れた物となってしまい、エロシーンの前に、ヒロインの裸に価値がなくなってしまう。この作品、裸に唯一価値があると思えるのが男の娘である翼ちゃん一人だけというのが・・・。

 これについては作風だからなのかもしれない。女の子たちの掛け合い(下ネタだらけ)を楽しむためのものかもしれない。とは言っても、恥じらいからエロスを期待するというのは無理というものだ。では、もう一つのエロスはどうだろうか。

 『シロガネオトメ』が多くのエロゲと違う点は女の子同士の恋愛を描く。
 
 同性愛。そこにエロスを感じるためには背徳的であることが重要だと考える。後ろめたさに性的興奮を感じ、それを感じれば感じるほど、エロの“濃さ”に繋がる。同性愛を描く上で、エロさへの利点とはそういうものだと思っている。後ろめたさをプレイヤーに感じさせるということは、キャラクターの心理描写を深める必要がある。しかし、本作ではそれがほとんどない。そのためまるで背徳を感じず、結局はエロさを感じない。

 長々と書いたが、以上より『シロガネオトメ』の女性同士の絡みにエロさはないと結論付ける。

 本作のシナリオのメインは魔を退治するところにある。ストーリーの関係上、退魔のためにエロで解決をする・・・。コメディ調になってしまうこの手法はシリアスを捨てているとしか思えない。それを冒してまでエロを入れてきたのだが・・・前述のようにエロスがほとんど感じられないものを、シリアスを捨て、重要場面に入れる・・・。プレイヤーとキャラクターの温度差を生み出してしまう。だから、女の子同士の恋愛物語としてこの作品は失敗している。そもそも、この作品では翼ルート以外はハーレムルートしかなく、全ヒロインに個別シナリオなどというものはない。この時点で夕希と各ヒロインを描く恋愛物としてはどうしても弱く感じる。

 しかし、異性の恋愛を描く、唯一翼だけは違った。翼は唯一エロいのだ。身体は女でも心は男である夕希。身体は男だが心は女である翼。外見に限って言えば、夕希はそのスタイルの良さから、女性らしく描かれている。そして翼のデザインは可愛らしく描かれている。専門用語で言うところの『男の娘』を意識させる。

 そんな二人の恋愛。

 シロガネオトメで唯一ルートがある翼。風呂場においても唯一恥じらい身体を隠し続けた男の娘。翼は幼馴染という優位性もあるが、背徳も恥じらいも見て取れることが大きい。翼だけではなく、夕希。ほかのヒロインよりエロが濃く感じる。何はともあれ、翼と夕希の奇妙な関係を楽しむことができた。

 伝奇、レズ、TS、男の娘。これらを複合させ、変わったシチュエーションでのエロを多数用意し、プレイヤーの好みに合ったエロを提供する。エロゲというジャンルにおいて、エロで勝負をする、ということは正攻法の一つ。今後も『MANATSU 8』には多彩かつ風変わりなエロシチュエーションを見せてもらいたい。


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